国土交通省がダム整備の新たな方向性として「ハイブリッドダム」を提唱した。官民が連携し治水と利水、地域振興の三つを実現する新たな時代のダム像と捉える。河川管理者や発電事業者といった従来の関係者に加え、異業種の企業も参画する特別目的会社(SPC)を設置。治水・利水能力の増強や水力発電を使った地域振興などの取り組みを一体的に推進できる体制を整える。今後は民間とのサウンディング(対話)型市場調査を通じて事業スキームを具体化する。
斉藤鉄夫国交相が26日の閣議後会見で発表した。斉藤国交相は「今後は水力発電や地域振興に関心のある民間企業などと意見交換しながら、取り組みの具体化に向けた検討を行っていきたい」と述べた。
ダム管理者は従来通り、治水能力の拡充に向け堤体のかさ上げや堆砂除去、放流設備の改修などを推進。貯水量を増やして治水能力を高めるとともに、水力発電に使える水量も確保する。発電事業者は発電設備の新設や増強に取り組む。
水力発電でつくる電力は周辺で電気自動車(EV)バスの運行に使ったり、データセンターなどの事業所を誘致して消費したりして地域振興につなげる。ダム周辺の遊休地を活用した太陽光発電も想定している。
ダムの運用面では、治水と利水の両方に割り振れる貯水容量「ハイブリッド容量」の考え方を導入する。平時は貯水量を満杯にして発電。一方、降雨が見込まれる時は可能な限り減らし、増水に対応する。
対話型市場調査は9月12日~10月7日に、東京都千代田区の同省内かウェブで実施する予定。8月5日にウェブで公募説明会を開く。申込書類は9月6日までに水管理・国土保全局ハイブリッドダム事務局へのメール(hqt-hybriddam@mlit.go.jp)で提出する。
詳細は国交省ホームページ(https://www.mlit.go.jp/river/dam/hybridsounding.html)へ。
source https://www.decn.co.jp/?p=144787
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